皿山郷は典型的な少子高齢化の自治会で、毎年冬には凍結や積雪により大渋滞を起こすことで有名?な皿山峠があります。
皿山大神宮は、稗木場山(現皿山)を開拓した室町中期の長享元年(1487年)に、祠を建てて五穀豊穣を祈ったのがはじまりと言われています。以来、神殿拝殿は地区の鎮守として崇められてきました。今の石造神殿は、明治初期に佐賀県塩田の名工筒井関平が精魂込めて刻みました。その構造は芸術性が高く、石で刻んだ神殿では近隣にその<RUBY CHAR=”比”,”たぐい”>を見ません。神殿の西側に並んで建つ天満宮、宮地獄の祠や拝殿前の狛犬は同じく筒井関平作です(町文献から)。
そして、皿山といえば人形浄瑠璃があります。享保17年(1732年)に「美玉座」が結成されて以来、営々と継承され昭和29年には「県無形民俗文化財」に指定されました。また、嬉しいことに数十年振りの女性大夫(語り手)「西浦美保子さんと松尾みどりさん」の2人が誕生し、昨年8月の大神宮夏越祭でデビューしました。その一方で、人形使いの後継者不足が悩みの種で現在募集しています。 人形浄瑠璃では、昨年から長寿等の御祝でも舞う『三番叟』を取り入れ、夏越祭や敬老会、12月の器替まつりでも公演しています。
最近では、他地区から出張公演の依頼も受けるようになりました。希望がございましたらご連絡ください。
今年の4月には「中村平三」氏がロクロ成型部門で「県無形文化財」の指定を受けられました。中村平三氏は、この道60年以上の匠であり、このような職人さんは今後は出ないと言われています。
皿山のような小さな自治会に、一団体・一個人の2つの「県指定文化財」が存在することは、郷民の誇りであり宝です。
今後、皿山郷の伝統と文化を守りながら、郷民の皆様と共に頑張っていきたいと思います。 |